こんばんは、キャスレー砂川です。
今日は、前回お約束した、キャスレーの重要な経営戦略である、
CSV : Creating Shared Value について、
事例をベースに、イントロをお話しします。
CSV は、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が
2011年に発表した論文における経営戦略のコンセプトで、
「社会課題の解決と、企業の利益、競争力向上を両立し、
社会・企業双方に価値を生み出す取り組み」
の事です。
なんか小難しいですが、すごくシンプルに言うと、
「しっかり利益を出す+みんながハッピーになるように考えて
ビジネスやサービスを設計しよう!」
という事になろうかと思います。
今日は、このコンセプトをスッキリと理解して頂くために、
身近な事例として、コカ・コーラさんの
「いろはす」
を挙げてみたいと思います。※1
「いろはす」は、コカ・コーラさんが発売したご存知 「水」 で、
2009年の販売開始から累計出荷20億本を突破、今やどのコンビニに
行っても必ず置いてあるメジャーブランドとなりました。
この「いろはす」、何が特徴かと言うと、飲んでおいしいうえに、
ペットボトルを超軽くした
のが特徴です。
超軽くした???
「だから何?」って言われそうですが、これが、物凄い波及効果があるんです。
まず、シンプルに、作る段階でペットボトルの石油原料の使用量が減りました。
樹脂使用量は、コカ・コーラ従来製品に比べて約40%削減。
環境負荷を減らすことに成功しました。
次に、運ぶ段階に携わる人を幸せにしました。
そりゃ、ケースが軽いほうが持ち運びしやすくて、
老若男女、みんなが嬉しいですよね。
腰を痛める確率も減ったはずです(これはあくまで予想です)。
軽いことは流通にかかるトラックやリフトなどの動力機関の
ガソリン・負荷も間接的に低減します。
そして、最後は飲み終わった段階でリサイクルを簡単にしました。
いろはすは、ペットボトルなのに絞れるんですね。
小さくすることで空ボトルの輸送や保管の効率を上げ、
リサイクル負荷も低減できます。
最近では、「ボトルアート」なんていうジャンルまでできました。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=ILB9JvX8JEc
CSV のフレームワークには、その要素を満たす方向性が
3つあるのですが、いろはすは、そのうち2つの要素を満たします。
・社会課題を解決する製品
・(間接的な)バリューチェーン競争力強化
「なんで当てはまるの?」
「え?社会課題?バリューチェーン?」
「あれ、3つ目がない・・・!?」
・・・なにか聞き慣れない言葉と、謎の3つ目が出てきました。
次回は、これらCSVのフレームワークにおける「3つの方向性」の定義と、
これらの要素になぜ当てはまるのか、ご説明できればと思います。
お楽しみに。
さて、今日の事例は、「いろはす」でした。
日本の名水地7つの水源を厳選した美味しい水、
ペットボトルを軽くして環境負荷や流通プロセス良化にも貢献、
そしてこれらの積み重ねの結果、555MLで126円という価格!!
しっかりと利益を出しながら、みんながハッピーになる。
”「おいしい」と「環境にいい」を両立したウォーターブランド”として、
CSV 要素を満たしたすごい事例ですね。
ちなみにいろはす開発メンバーの 小林さん(女性) カッコイイ女性ですね!!
※1 なお、いろはすは2009年に発売され、CSVのフレームワークを
前提に設計されている訳でない&本質的な競争要因として「軽くしたこと」が
該当するのか、理論家には議論の余地があると思います。
ここでは、あくまでCSVの概念を理解する好例として紹介したものと
ご理解頂けると嬉しいです。