こんにちは、キャスレー砂川です。

先日、弊社のチーム・キャスレーブログにも載っていましたが、本社メンバーで集合写真を撮りました!

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当初は、私も写る予定だったのですが、急用により、写ることができず。

こんな良い写真を見せられたら、残念でしょうがありません。

本当に写りたかった。

次回のキャスレー会でこれ以上の良い写真が撮れることを期待しています!

さて、先週に引き続き、「CSVにおける3つの方向性」の2つ目、バリューチェーンの競争力強化」についてです。

前回サワリをご紹介した、ユニリーバのインド法人が行った「プロジェクト・シャクティ」について、詳しく見ていきたいと思います。

■インドの農村部に流通網を!マーケットシェア獲得のためのプロジェクト

さて、前回、ユニリーバは、インドでのシェア拡大のために、

農村部の女性に販売員としてのトレーニングを実施し、農村部で売っていってもらうという大胆な施策を実施したとご紹介しました。

どうしてこのような施策をとるに至ったのか、まず背景から見てみましょう。

当然ながら、ユニリーバは営利企業である以上、さらなるマーケットシェアの獲得は至上命題です。

施策の開始される2000年以前、インドでのユニリーバ製品の売上げの半分は都市部、もう半分は農村部といった状況だったそうです。

農村部といっても、当時販売できていたのは、2000人規模の村々、約10万村に対してでした。

更なるマーケットシェア獲得をのためには、農村部での売上げをさらに延ばすことが不可欠と考えられましたが

それには、およそ50万以上におよぶ、既に売上げが出ている村よりもさらに人口の少ない村々へ商品を届けることが必要となるのでした。

しかし、それらの村に販売できていなかったのには理由があります。

こういった小さい村々へは、流通網や販売チャネルを構築できていなかったのです。

都市部のようにドラッグストアやコンビニがある訳でもなし。

そもそも、そういった小さい村は貧困が深刻な問題となっていた様なのです。

■インドの農村部の現状

産業は農業が中心で、特に女性の働く先は限られていた様です。

夫婦共働きが難しいほか、不運にも夫に先立たれるなどして母親1人で子供を育てるといったことは、貧困に陥るリスクが高かったのです。

こういった農村の女性を支援するため、当時既にNPO等支援の動きが村々で立ち上がっていました。

その多くは、農村部の女性に対して節約についての支援をしたり、お金を相互に貸し借りして高利貸しを利用しなくてすむための自助グループだったそうです。

■流通チャネルを確保する=農村部の女性の自立支援

ユニリーバは、この現状に注目し、農村部の女性に、ユニリーバ製品を販売するトレーニングを行い、販売員として働いてもらうという戦略を思いついたということのようです。

(ちなみにこの戦略実現には、地元のNPOや国際的な団体との協業があったそうです。)

こうして実現したのが、農村部での女性に対し、

自社製品の販売員としてのトレーニングを実施し、女性販売員をどんどん生み出し、売って回ってもらう、

「プロジェクト・シャクティ」でした。

■単なる社会貢献ではない、企業メリットもしっかり実現

このプロジェクトの結果、企業側、そしてインドの社会双方に大きな効果が出ました。

<企業側メリット>

・ユニリーバの製品を、インドの12州におよぶ5万村、7000万人に届けられる販売網を構築することに成功。

これは、本プロジェクト以前に比べ、インドの農村部の人口へのカバー率を30%向上させました。

<社会的メリット>

・農村部の女性は、それまでよりも高い水準の収入を得られるようになりました。

このプロジェクトによって、多くの販売員の女性達には700〜1,000ルピー(当時約15〜22ドルに相当)の収入がもたらされたとのことです。

この金額は、共働き家庭にとっては家庭の収入を倍に、母子家庭にとっても、家族を十分養える収入となったそうです。

このプロジェクトは、この他にも様々な取り組みがあり、販売員となった女性にもその後更なるキャリアアップの機会があるなど、いくらでも見どころがあるのですが、そこまで紹介していくと長くなってしまうので、興味を持たれた皆さん自身でしらべていただくとして(とっても興味深いですよ)、

このプロジェクトのどういった点が、CSVの「社会課題の解決と両立するバリューチェーンの競争力強化」だったのか、をみてみたいと思います。

ここまでみてくれば、皆さんもうピンと来ますよね。

■バリューチェーンの強化がそのまま社会貢献に

プロジェクト・シャクティのおかげで、

企業側は、マーケットシェアの拡大に必要な、流通チャネルを獲得できた。

そして、インドの農村部は、貧困問題の解決につながる、女性の雇用という機会が創出された。

この事例の出発点では、企業があるバリュー(この場合はユニリーバが生産する製品)を提供するための活動の中で、

インド市場の場合、「農村部への流通網の確保」がボトルネックとなっていた訳です。

バリューチェーンの中で言うと、

1)購買物流

2)製造

3)出荷物流

4)マーケティング・販売

5)サービス

上記の中の、3)を解決するための施策を考えたら、同時に社会貢献にもなったという、ウルトラCですね。

何しろ、ユニリーバは、農村部の隅々まで商品を届ける流通の仕組みをそれまで持っていなかったのです。

この活動行程を、現地の貧困の中にある女性に担ってもらうことで、

女性のキャリア支援という社会貢献にもダイレクトにつながる。

社会貢献活動それ自体が、売上げを向上させるための不可欠なファクターになったという訳です。

しかも、この女性販売員の活動は、バリューチェーンの4)や、5)までカバーできる活動となっていました。

実際、プロジェクト・シャクティで販売員となった女性には、

村の人々に衛生ノウハウと商品の使い方を一緒に説明するような役割も合ったようです。

宣伝やアフターサービスも含めた、幅広い活動と言えますね。

つまり、バリューチェーン強化を行うことと、社会貢献活動が合致したこと、

これがCSVと呼べる特徴となる訳です。

いかがでしたでしょうか。

とてもきれいに社会貢献と売上げへの貢献が一致する、お手本の様な例だったのではないでしょうか。

これが、CSVの更なる理解となっていれば幸いです。

次回は、CSVにおける3つの方向性、最後の要素を説明する事例を紹介していきたいと思います!

参考:http://www.unilever.com/images/es_Project_Shakti_tcm13-141088.pdf