こんにちは、砂川です。

昨日は弊社恒例の全社会議、「キャスレー会」でした。

今期のグループ体制スタートということで、会議の終了後に、久しぶりにチーム・キャスレーで集合写真を撮りました。

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皆、良い笑顔で嬉しかったです。

もっと、チーム・キャスレーの輪を大きくしていくぞ!と、熱い思いが湧いてきた木曜日でした。。。

さて、今回は、引き続き「CSVにおける3つの方向性」の3つ目、「事業展開地域での競争基盤強化」について説明できればと思います。

前回、

「事業の競争力を高めるために、事業の行われている地域のクラスターを支援・育成することが、地域の社会貢献になる。」

これがCSVとなる考え方をご紹介しました。

この分かりやすい事例で有名なのが、コーヒーや乳製品などの飲料・食品で有名なネスレの取り組みです。

ネスレは、スイスに本社があり、売上高がなんと7兆円以上、キットカット、ネスカフェ、ネスプレッソ等のブランドが日本でも有名な世界的企業です。

ネスレは、乳製品の原料である牛乳を、インドのモガ地方という地域で調達していました。

この地域は経済的に開発されておらず、道路や電気は不足、土壌は痩せ、干ばつによって家畜が病気になったりした結果、農家の収入は不安定となり、非常に貧しい地域でした。

一方、ネスレは、モガ周辺の市場性、潜在的な生産拠点としての魅力を見抜き、同時に、これら農家の育成を助けるため果敢にもモガ地域へ進出、

・地域の村々に、井戸を掘ってきれいな水を確保

・地域の小規模農家に、家畜の育成方法、衛生管理などを教育、持続的に支援

・地域の村単位で、ミルクの保存(冷却)、購入、輸送のインフラを構築

などの支援を行いました。

ミルクの品質は年を追うごとに改善、いまではモガ地方の 2,500以上の村に広まり、日々、10万人以上の農民がミルクを売りに来るまでになりました。

結果どうなったか?

ネスレは、コーヒーに使う乳原料や、インドで多く消費される練乳などの製品にモガの良質な牛乳を使うことができるようになり、高い競争力を発揮できるようになりました。

農家は、牛乳を売ったお金で子供を学校へ行かせることができるようになり、地方政府は税収によって道路や電気、病院などのインフラを整備することができました。

そう、ネスレは農家の支援という切り口を通じて、地域に住む人々と共に、地域全体が発展するようなビジネスを行ったのです。

今や、モガ地方ではネスレと農家の間に厚い信頼関係があり、ネスレと農家が日々生産・品質・安全衛生を高める取り組みを行っているそうです。

なんと熱い話なんでしょうか・・・!!

この例からも、短期的・直接的に事業の売上げに貢献しないようなやり方でも、地域への貢献を戦略的に行うことで、

自社事業の競争力を高めていけるということが、よくお分かりいただけるかと思います。

CSVとは学術的に分類されてはいなくても、この考え方に近いな、と感じるビジネスの事例は、実はたくさんあると思っています。

もうひとつ、私の知っている例でこんな取り組みがあります。

フォーシーズンズ・ホテル・アンド・リゾートという外資系ラグジュアリーホテルがあるのですが、

このホテルは、ホテル施設のある地域の文化や自然を取り入れたおもてなしをすることで定評があります。

たとえば、タイの内陸リゾート地であるチェンマイにあるフォーシーズンズの周りは、一面の水田が広がっています。

これはホテルの周りに現地に根付く農業を残し、さらに積極的に地域への支援も行っているからで、

ホテル内で体験できるアクティビティに、確かこの水田での農業体験や、地元でとれた食材で、

地元の料理を作る料理教室も行っていると聞いたことがあります。

これは、ホテルの根付く地域の支援に力を入れているこのブランドならではの取り組みなのですが、

これが結果として、ホテルからの素晴らしい水田の眺めや、ここでしか体験できない活動の源泉となり、

他のホテルとの差別化要因ともなっていると言えるでしょう。

フォーシーズンズホテルは、この活動をCSVだとは言ってはいませんが、

私は極めてCSV的な、素晴らしい事例だと感じました。

皆さんの周りでも、

企業の地域への貢献の取り組みが、実は事業自体の競争力を高めることになっている事例は、実はたくさんあるかもしれません。

意識してみると、新たな発見があるかもしれませんね。

さてさて、早い物で、CSVにおける3つのタイプの詳しい説明は今回で最後となりました。

次回からは、CSVの視点から興味深い人事制度などを紹介していこうかなと考えています。

これからもブログをお楽しみに!