こんにちは、砂川です。

先週からのCSV事例紹介シリーズ、

今週は2つのグローバルIT企業の取り組みから、

CSVの効果を測定した企業の事例をご紹介します。

これまで、ビジネスの成果を測定・評価する方法は

主に売上や利益の数字に着目することが殆どでした。

これは非常に便利でわかりやすい反面、「売上や利益さえ上げれば良い」

というインセンティブが働いて、売上や利益以外に発生する負の社会的価値に

注意が働きにくい、という傾向があります。

一方、企業としてのビジネスリターンと社会的貢献度、両方の価値を高める

CSVにおいては、売上・利益+社会的価値の総和がビジネスの成果を

測定・評価する方法になります。

売上や利益といった指標をいかに測定・評価するかについては、複式簿記が生まれる

以前から長い歴史に渡って実践・研究されており、一定の手法が確立されているのですが、

社会的価値の算出・測定についてはまだ緒に就いたばかりです。

実際、CSVを事業戦略に据える企業の担当者にとっては、

社内でどう評価すればいいのか、皆さん頭を悩ませる問題のようです。

このテーマに対して、

2つのグローバルなIT企業が実際の取り組みを紹介してくれています。

大手半導体メーカーのインテルは、

” Girls and Women”プロジェクトをCSV事業として行っていますが、

この事業は社会的価値の効果を図るための取り組みを初期から意識していたと、

担当者が語っています。

具体的な内容についてはプレスリリースからは読み取れませんでしたが、

女性の就学率などの社会的価値を測定しているようです。

そして、評価に必要な様々なデータを収集するため、

プロジェクトの立ち上げ当初から、その情報収集のシステムを組み込んでいったそうです。

そうすることで、セールスやマーケティングなど、

このプロジェクトが関わる社内の様々な事業部門を横断的に統合することができ、

社会貢献価値とビジネス上の効果の両面を図る事ができたということです。

また、コンピューターネットワーク会社のシスコシステムズは、

Connecting Sichuanプログラムという事業を行っていますが、

この取り組みにおいても、効果測定を当初から想定する事で、

社会貢献活動のビジネス面での効果を図るという意識につながったといいます。

このプロジェクトは四川大地震が起きた後の支援を発端に、

ネットワーク技術を使って、支援の必要な地方の人々に、

都市部の医療や教育への効率的なアクセスを促す事に成功しました

一方シスコにとっても、自社製品を、新たな市場にどのようにマーケティングしうるか

という発見があったそうで、社会貢献面でのバリューだけでなく、ビジネス面での効果を

図る事の重要性も意識していたからこそ、このような発見ができたと振り返っています。

CSR的な意識にとどまった活動だと、

企業として取り組むことに意義があるのか、経営戦略的妥当性は

どうかという議論が二の次になる可能性がありますが、

事業の設計段階から評価分析を意識する事で、

活動の評価を行うための仕組みを組み入れておくことができ、

さらに経営面でも結果を残す必要があると言う意識も働きます。

これによって、ビジネスリターンが得られる確率も高まり、

より継続的なプロジェクトに成長させる事ができたという事例でした。

欧米の先行企業の事例は本当に熱くなります。

日本も負けてはいないですが、当社もいつか欧米から先行企業として

模倣されるぐらいの存在になる!と信念を強くした一日でした。

参考記事:
https://www.triplepundit.com/special/shared-value-initiative/intel-cisco-shared-value/