こんにちは、砂川です。
<先日、CFO長島が東南アジアへ出張した時の写真>
これまでも何度か、CSV的な視点で気になるITビジネスの事例を紹介し、
CSV的観点から解説を試みてきました。
(「IT企業のCSVプロジェクト紹介シリーズ〜その2 注目の決済サービスSquareが女子高生向けプログラミング授業を開催」など)
今後不定期の「CSV的ITビジネス紹介」シリーズとして
続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
今回扱うのは、東南アジアを中心に急成長中のサービス「Meetrip」です。
最近、このサービスをスタートさせた日本の会社から、
タイのソーシャルゲーム会社に事業が譲渡されたこともニュースとなりました(参考記事 )。
このサービスは、簡単に言うと旅行者に対して、
その土地のローカルの住民が用意するガイドツアーをマッチングするサービスです。
各都市のローカルユーザーは、案内したいツアー内容と価格をサイト上に登録します。
その都市を旅する旅行者は、サイト上で興味のあるツアーを探し、オファーを出します。
晴れてマッチングした際は、サイト上で待ち合わせなどメッセージをやり取りして、実際にツアーを実施。
支払は、サイト上からペイパル決済のため、現金のやり取りも必要ありません。
サービス側は、このツアーガイド費用から手数料を10%程度もらう形となっています。
2012年の9月に東京と台北でスタートしたこのサービスは、同年11月にはアジア10都市にまで拡大し、
この11月にとうとうバンコクのソーシャルゲーム会社に事業譲渡されるまでになりました。
なぜここまで急成長したのでしょうか?
1つのポイントとして、アジアのローカルの人々と、大半の旅行者が支払える貨幣価値に
大きな差があることが重要だったのではないかと考えられます。
大抵のツアーガイド料金は10〜30ドル程度です。
旅行に来る多くの人は、旅行ができるだけの経済力がありますから、これくらいの出費は十分まかなえます。
一方で、多くのアジア諸国では、数十ドルという金額はまだまだ魅力的な価値あるボリュームです。
ですからこのサービスが、多くのアジアの人々にとって、
ちょっとしたお小遣い稼ぎや副業として、とても魅力的に映るのではないでしょうか。
現に、東京や大阪など日本国内でもこのサービスは使われていますが、
タイやインドネシアなどの方が相対的に、よりこのサービスが人気だという話も聞いたことがあります。
このビジネスモデルは、とてもCSV的だと思いませんか。
旅行者にとってのサービスであると同時に、
現地の人に、新たな副業・副収入の機会が創出される。
お互いウィンウィンであるため人気も出て、さらにビジネスも拡大していきます。
また、旅行代理店の組むツアーで通り一遍に街を歩くのではなく、
生活している人でしか知らないような所まで見ることができる。
お金も、旅行代理店という一部ではなく、直接現地の人に支払われることで、
旅行によって旅行先を応援できているのではないでしょうか。
ITビジネスの素晴らしいところは、こういうところだと改めて思います。
つまり、今までのインフラだけではつなぐことのできなかった人々を、
テクノロジーによって新たにつなげることができ、
それによって、今まで届かなかったところまでお金のやりとりや、コミュニケーションが生まれる。
そしてお互いに、良い方向で豊かになっていける。
とても素敵な事例だと思い、紹介させていただきました。
我が社でも、こんな素晴らしいビジネスが生み出せる様に、これからもがんばっていきたいです!