こんにちは、砂川です。

皆さん、突然ですが「ポーター賞」という賞をご存知でしょうか。

ポーター賞
CSVの理念を提唱した、経営学者のマイケル・ポーター氏をアドバイザーに招き、
「日本企業の競争力向上」を目指して、2001年に設立された賞だそうです。
(ポーター賞自体は、CSVをテーマにしている訳ではなく、経営全体の優れた企業を表彰するというもののようです)

毎年受賞企業を選出されているそうなのですが、
昨年末発表された2013年の受賞企業の1つに、
清涼飲料水メーカーの伊藤園がありました。

受賞理由全体はリンク先をご覧いただくとして、
今日は、そんな伊藤園の取っている経営戦略の中で、CSV的に大変参考になる、注目の取り組みをご紹介したいと思います。

◯競争力強化と産地育成の両立「茶産地育成事業」

日本の飲料市場は年々増加傾向にあるそうなのですが、その中でのお茶の市場規模は
なかなか苦戦を強いられており、競争が激しい分野なのだそうです。

この中で伊藤園は緑茶飲料市場のシェアを37%も獲得しているというのですから、まさに日本の緑茶トップブランド。

緑茶飲料はコンビニでも頻繁に売られる様になった一方、国内の茶葉農業はというと、
安価な輸入茶葉との競争や後継者不足などから遊休農地が増加してしまっているそうです。

伊藤園としては、こんな日本の茶農業の状況の中で、
「茶産地育成事業」というものを行っているそうです。

緑茶の原料の茶葉を、高品質なものを安定的に仕入れるという自社目的と、
そして国内の茶産地の育成、遊休農地の活用という社会的課題を両立させられる、
素晴らしい取り組みだと思うので、詳しくご紹介します。

この事業には2つの活動、「契約栽培」と「新産地育成」があるそうです。

契約栽培は、茶農家と契約し、伊藤園製品の茶葉を生産してもらう代わりに茶葉を全て買い取るというものだそうです。

農家としても安定的な収入となりますし、メーカーとしての安定的な原料の調達が見込めそうですね。

さらに新産地育成では、遊休農地のある農地の自治体や事業者に対してノウハウを提供し、
大規模茶農園を展開してもらうそうで、こちらも茶葉を全て買い取っているそうです。

これも、メーカーとしてのスケールメリットが見込めると同時に、地方の産業育成につながっていそうですね。

詳しくは、伊藤園さんのサイトにより充実した紹介がありますのでどうぞ。

こう見ると、この事業形態は、CSVにおけるバリューチェーンの競争力強化、に見事に当てはまっているのではないでしょうか。
参考:CSVにおける3つのタイプ〜その2〜バリューチェーンの競争力強化(2)

原料調達を安定的に行うのと同時に、日本国内の農業振興に役立つしくみになっていますよね。

コンビニでよく見かけるお茶に、こんな奥深い取り組みがあるとはとっても意外ですが、
これを知ったら普段の買い物の傾向も変わってきそうな気がします

このように、「CSV」という言葉は使われなくても、
日本企業でも実は取り組まれているCSV的枠組みはきっと沢山あるはず。

今年はこういった事例ももっとご紹介していきたいと思います!