こんにちは。SI部のK.Tです。
『Trello』を利用したタスク管理について、1年ほど前にご紹介させていただきました。
前回から少し期間が空いてしまいましたが、今回は便利なカスタマイズを紹介しつつ、プロジェクト内のタスク管理へ応用してみたいと思います。
Trelloがどんなツールかご存知ない方、及びアカウント作成等の利用方法を知りたい方、まずは前回の内容をご参照いただき、準備をお願い致します。
1.Trelloをカスタマイズ
本題に入る前に、前回ご紹介できなかったTrelloのカスタマイズをいくつかご紹介致します。
(1)メニューを日本語化してみる
有志の方により、メニューやボタン等を日本語表示にしてくれる「Japanizer for Trello」がリリースされております。
Google Chrome用、Mozilla FireFox用とありますので、利用環境に応じてインストールしてみてはいかがでしょうか。
初期状態では、ボタンやメニュー名は全て英語表示となっておりますが、
日本語化すると、以下のような表示に変わります。
実際のところ一部英語表記も残りますが、初期状態に比べると馴染みやすくなると思います。
(2)強化機能を有効化してみる
メニューにある「強化機能」より、Trelloの機能拡張が可能です!
デフォルトでは無効となっておりますので、「カレンダー」と「カードの老化」を詳細ページより有効化してみます。
「カレンダー」は、カードに期限日を設定する事により、週単位・月単位でタスクを確認する事が可能です。
有効化するとボードの右上に「カレンダー」が追加され、当日中に消化すべきタスク、今週中に消化しなければならないタスク等が把握しやすくなります。
「カードの老化」は、ボード/カレンダー上にて一定期間更新のないカードの見た目が変化する為、タスクの確認・消化忘れが把握しやすくなります。
2.Trelloでプロジェクト管理
Trelloのカスタマイズが完了したら、本題に入ります。
(1)WBSにおける課題
WBS(Work Breakdown Structure)を用い、プロジェクト計画時に全体の作業を細分化する事により、プロジェクト全体のタスクが明確となります。しかし、いざプロジェクトが稼動してみると、各担当者の直近のタスクと進捗が把握しずらいと感じた事はないでしょうか?
また、日々WBSをメンテナンスしていく作業にも労力が必要です。
例えばプロジェクト計画時にWBSを作成はしたものの、日々の業務に追われ、WBSのメンテナンスを一定期間放置するような状況に陥った経験もあるのではないでしょうか?
これらは、タスク一覧がA3用紙一枚に納まらないような、数十人月クラス以上のプロジェクトになるほど顕著に現れてくると思われます。
今回はプロジェクト計画時のタスクをTrelloへ落とし込む事で、プロジェクト稼動後のタスク管理へ役立ててみます。
サンプルとして、A~Hの8機能を開発する「Xシステム開発」のWBSを用意しました(Xシステム開発 WBS)。
(2)プロジェクトタスクをカード/チェックリストへ落とし込む
まずはWBSのタスクに対して、Trelloへ以下の要領でカードを追加して行きます。
- a.大タスク - カード
- b.中タスク - チェックリスト名
- c.小タスク - チェックリスト項目
- d.終了日 - 期限
タスクを全てカード化すると、ボード上は以下のようになります。
(3)プロジェクトチーム内での共有
続いてTrelloのボードをプロジェクトメンバー内で共有します。メニューからメンバーを追加した上で、各カードへ担当者の割り当てを行います。
これにより各メンバーがTrello上で自身のタスクを把握できるようになります。また、カードを移動したり期限日を迎えたりすると、担当者へメール通知する事も可能です。
ボードのメイン画面のメニューにある、「メンバーを追加…」よりメンバーの追加を行います。
追加したメンバーは、ボード内の各カードにて、メンバー(担当者)として割り当てが可能となります。
カード毎にメンバー(担当者)を割り当てると、以下のように表示されます。
現時点でカードは大タスク単位で作成している為、一旦担当するメンバーを全て割り当てておきます。
以上で、プロジェクト稼動前の準備は完了となります。
(4)直近のタスクを「チェックリスト」から「カード」へ変換
プロジェクトが稼動しましたら、実施中のタスクに合わせて、随時チェックリストからカードを切り出して行きます。
小タスクをカード化する事により、現在のタスク状況が把握しやくなります。
担当者が複数体制となる詳細設計フェーズ以降では、以下のようになります。
(5)タスク管理を共有する事によるメリット
プロジェクトのタスクをTrelloで管理するメリットとして、以下の3点が考えられます。
a.各タスクの進捗詳細が把握しやすい
現在のタスク状況が把握しやすくなる事は前述の通りですが、コメントを活用する事で各タスクの詳細状況も把握しやすくなります。
また、カード化した小タスクへチェックリストを追加する事により、更に詳細のタスクを管理できるようになります。
b.急なタスク追加が発生しても容易に管理が可能
開発を進めて行く中で「追加改修」等の急なタスクが発生した際でも、その場で「チェックリスト」や「カード」として追加する事により、タスク管理が容易に可能となります。
c.メンバーがカード(タスク)をいつでも閲覧・更新できる
TrelloはPCだけでなく、スマートフォンやタブレット端末からでもアクセスができます。
メンバーが何か気付いた時点で、即時に情報を展開したりメモを残す、都合の良いタイミングでプロジェクトの進捗状況や対応履歴を確認する事が可能となります。
3.おわりに
いかがでしたでしょうか?
Trelloは個人だけでなく、グループやプロジェクト内にて共有する事で、より利便性が高まります。
また、APIを活用する事により、例えばGoogleスプレッドシートで作成したWBSとの連携を実現させる等、更なる拡張性が期待できそうです。
こちらに関しては、次の機会に紹介できればと思います。
(おまけ)
Trelloはオンライン上で稼動するツールの為、提供元のサーバーで障害が発生すると、当然利用ができなくなります。
めったに利用不可となる事はありませんが、利用不可になると以下のような愛くるしい画面が表示されます。