こんにちは
キャスレーコンサルティング・経営企画部・研究開発担当の西形です。

この度、キャスレーコンサルティング株式会社(以下、キャスレー)は、世界最大級の「組込み技術に特化した技術展」
Embedded Technology 2015(以下、ET2015)に画像処理技術を出展致します。
(ニュースリリースはこちら

出展に先立ちまして、展示予定の資料を公開致します。

まずは、下の動画をご覧ください。

映像の右半分は画像処理なし、左半分は画像処理ありの場合に対応しています。
キャスレーの画像処理は、光学ズームなどにより生じる「回折限界のボケ」を驚くほど鮮明にします。

非常に汎用性の高い技術ですが、少し用途を絞って説明していきます。

figure1.pdf 関する説明

■左上スライド
光学レンズは光を集光させる光学素子ですが、ソフトウェアの世界でも集光技術はあります。
画像回復技術(deconvolution)は光強度分布をデジタル処理することで1画素オーダーへの集光を実現します。
例えば、可視光では見えない程小さいウイルスや遠く離れた惑星表面(左列画像)は、高性能な機材で撮影しても
回折限界という物理学原理に基づいてぼやけてしまいます(中央列画像)。
これらの回折限界のイメージをキャスレーの画像処理技術は1ピクセルオーダーで鮮明化します(右列画像)。

■右上スライド
実際の光学顕微鏡やレーザー光を使った実験でも回折限界よりも分解能が改善されることが実証されています。

光学顕微鏡で空間分解能1nm・時間分解能10msの性能は非常にオーバースペックですが、
これからのバイオテクノロジーを支える技術として必須な技術になるであろうと推測しています。

■左下スライド
ソフトウェアのみの新技術ですので汎用性が高く、様々な分野・製品へ応用させることができます。

■右下スライド
キャスレーの開発した技術はグラバーボードに実装するフィルターアルゴリズムと画像処理の要となるサーバ側のアルゴリズムです。
これらの実装された装置は、撮像装置・ファイルサーバ・機械学習と接続することでサービスを提供します。
ナノスケールの機械学習は前例がないですが、最近流行りのモデリング技術と相性が良いので面白い結果が出るかもしれません。
このイメージのようにキャスレー画像処理は、画像の鮮明化という価値だけではなく
画像データの利用に伴う時代の変化に応じた技術と連携して得られる価値の創出を予定しています。

以上、具体的な説明をしましたが、抽象的には以下をご覧ください。

figure2.pdf 関する説明

■左上スライド
画素のピクセルピッチと回折限界との間の大小関係によりデジタル出力は大きく異なります。
特に、ピクセルピッチが回折限界よりも小さい場合(下段)、点光源のデジタル出力は光が拡散してぼやけた画像として見えます。
deconvolutionは、ぼやけた点光源の画像を理想的な1ピクセル値に回復します。

■中央上スライド
簡単な1点光源の説明では、光強度のピーク値をスクリーニングしているだけの技術と見分けがつきません。
そこで、誤解を避けるために2点光源の分解能を例に説明しましょう。
例えば60nm間隔の2点光源は、可視光域だと100nmオーダーでぼやけて結像します。
これでは1点なのか2点なのか、もしくは棒状の光源なのか判定できません。
光学系の設定が100pixel/umだと、deconvolutionは10nm単位の回復性能があることになります。
すなわち、60nm間隔の2点は、正確に2点光源として認識できます。

■右上スライド
画像処理システムのイメージ図です。付加価値をつけないスモールスタートでは機械学習機能を省いています。

■左スライド
従来技術との比較です。まず、撮影するという行為は、無限に広がるイメージの中から
一部分だけを切り取る操作であると理解できます。
画像がぼやけていると、切り取りの枠外の光も拡散により枠内に入り込んでしまうので、
従来技術では枠外イメージの仮定・推定を必要とします。
推定値と現実とのギャップは不確定性原理という形で画像処理の邪魔をします。
一方、キャスレーの技術では数学的な意味でローカルなデータ(鮮明化したい部分の周辺データ)のみで
画像処理を行ないます。この場合、不確定性は生じることなく、原理・限界を超えた画像回復が可能となります。

■中央スライド
一般に、データ量の増加に伴い空間分解能は良くなります。
しかし、レンズの回折限界の影響によりハードウェアのみのシステムでは、限界の空間分解能があります。
では、ハードウェアとdeconvolutionの併用システムではどのようになるでしょうか。
従来のdeconvolutionを利用してしまうと、不確定性原理の影響により、回折限界の大幅な改善は期待できません。
これらの限界のあるケースと比較してハードウェアとキャスレー画像処理の併用システムは、
限界を超えたイメージング・空間分解能を提供します。

■右スライド
技術で達成できる空間分解能のランク付けをします。
ハードウェアもしくはハードウェアと従来画像処理の併用技術は不確定性限界を超えられないランクです。
一方、キャスレー画像処理は不確定性限界を超えた領域にランク付けされます。
すなわち、キャスレー画像処理は従来技術と比較して優れているという相対的なランクだけでなく、
不確定性という絶対的なものと比較して優れているという絶対的なランクを持ちます。
更に、それだけでなく、空間分解能に限定すれば数学的にこれ以上の技術は存在しないという、
最大のランクを持ちます。

■左下スライド
被写体へのダメージ低減を狙った長波長観察・高い光学ズーム撮影・レンズの小型化や撮像素子の高密度化。
これらの技術と空間分解能はトレードオフの関係にあります。
すなわち、撮像装置の利用シーンを拡張すると、それに対応して空間分解能は悪化します。
このようなジレンマを解消すためにキャスレー画像処理を利用すると非常に効果的です。

■中央下スライド
最優先して取り組みたいと考えているアプリケーション例です。

■右下スライド
その他、社会的な価値の高いアプリケーション例です。

以上、技術説明資料を中心にキャプションをつけてきましたが、画像回復技術に関してご理解いただけたでしょうか。

技術展当日は、これらの動画・資料の他に、実際のカメラシステムを用いたデモンストレーションも実施予定です。

後日談へつづく